あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ は ひ ふ へ ほ ま み む め も や ゆ よ ら行 わ ゐ ゑ ん
琉球語の語彙集:ち
常(ちゃあ):always
:いつも。常に。接頭語としても使われる。「常逃(ちゃあふぃん)ぎ」[逃げ通し]。「常走合(ちゃあはあえ)え」[走り続け]など。
如何(ちゃあ):how,what
:どう。「如何(ちゃあ)ん成(な)らん。」は、「どうにもならない。」の意。
如何(ちゃあ)がな:somehow
:どうにか。なんとか。
茶糟(ちゃあかし):tea leaves
:茶がら。
即時(ちゃあき):immediately
:すぐ。じき。
如何(ちゃあ)ん斯(かあ)ん成(な)らん:not to do anything
:どうにもこうにもならない。どうしようもない。
如何(ちゃあ)しん:by all means
:どうしても。
如何為(ちゃあし)ん斯為(かあし)ん:by all means
:どうでもこうでも。どうしても。
嫡子(ちゃくし):heir
:嫡子。家をつぐ長男。
如何(ちゃ)ぬ如(ぐとぅ):like what
:どのように。どんなふうに。
如何(ちゃ)ん長(なげ)え:how long
:どんなに長い間。どのくらいの時間。
打投(ちゃんな)ぎゆん:to throw away
:うっちゃる。投げ捨てる。
如何(ちゃ)ん成(ねえ)る:like what
:どのような。どんな。
混振物(ちゃんぷるう):mixed fried food
:料理名。豆腐・野菜などの油炒め。全国的な琉球語となった。
如何比(ちゃっぴ):how much
:どれほど。どのくらい。どれだけ。主に量の多さをいう。
如何差(ちゃっさ):how many
:どれくらい。どれほど。主に数の多さをいう。
茶湯(ちゃとお):offering tea to the dead person’s soul
:霊前に供える茶。ふつうは、御茶湯(うちゃとお)、という。
茶分(ちゃわ)き:tea cake
:茶うけ。子どもはお茶よりもこちらの方が好きである。
気張(ちば)ゆん:to work hard
:がんばる。精出して働く。「気張(ちば)りよお」は「がんばれ」の意。
尻(ちび):bottom
:尻。共通語の「小(ちび)」とは関係ないだろう。
尻口(ちびくち)ぬ当(あ)たらん:contradiction
:つじつまが合わない。
尻糞(ちびくす):the last
:びり。最下等のもの。
尻(ちび)ぬ目(みい):anus
:肛門。
厳(ちびっ)さん:severe
:きびしい。
厳(ちび)らあさん:brisk
:きびきびして気持ちがよい。てきぱきしている。
尻進(ちびすん)ちゃあ:to carry oneself on one’s bottom
:いざり。膝行。幼児などが座ったままで進むこと。
尻立尖(ちびたっちゅう):sharpened bottom
:尻のとがった人。尻の突き出た人。
尻尖(ちびとぅが)やあ:always sleeper
:寝てばかりいる無精者。尻がとがっていて座れないので寝てばかりいるという意味。
蕾(ちぶ)むん:to bear buds
:つぼむ。蕾(つぼみ)となる。
頭(ちぶる):head
:あたま。つぶり。「ちぶる」・「つぶり」は、「円(つぶら)」という意味のようだ。
近(ちちゃ)さん:near
:近い。
月不足(ちちぶすく):premature birth
:早産。
聞(ち)ち苦(ぐり)さん:hard to hear
:聞きにくい。よく聞こえない。
月影(ちちかぢ):moonlight
:月影。
月見(ちちみ):moon viewing
:月見。
月(ちち)ぬ夜(ゆう):moonlit night
:月夜。
聞(ち)ち上手(じょおじ):good listener
:聞きじょうず。
黄大根(ちでえくに):yellow carrot
:人参。今はオレンジ色が主流である。
乳離(ちちあか)り:child past the breast
:乳離れ。離乳。
牙(ちいば):canine tooth
:犬歯。糸切り歯。
気早(ちいべえ)さん:quickly moved
:気が早い。
乳兄弟(ちいちょおでえ):foster brother(sister)
:乳兄弟。
着倒(ちいどお)り:overspent money for dressing
:着倒れ。着物にぜいたくして財産を傾けること。
乳痩(ちいがじ)らあ:shortage of breast milk
:乳不足の母・子供。
気遅(ちいにい)さん:easygoing
:気が長い。悠長である。のんびりしている。
黄色(ちいる):yellow
:黄色。
近目(ちかみ):nearsightedness
:近眼。
飼育(ちかな)ゆん:to keep (animals)
:家畜類を飼う。
使(ちけ)え減(びな)い: lessened after using
:使い減り。
付(ち)き揚(あ)ぎ:fried fish paste
:料理の名。魚肉をつぶし、にんじん・ごぼうの類を切ってまぜ、油で揚げたもの。共通語では、「てんぷら」という。鹿児島では、「付け揚げ」という。
付(ち)き竹小(だきぐぁあ):match
:マッチ。マッチに相当する共通語はない。
漬(ち)き物(むん):pickle
:漬け物。
漬(ち)き菜(なあ):salted greens
:漬け菜。その野菜の名でもある。
菊(ちく):chrysanthemum
:菊。
気根(ちくん):vigor
:元気。
畜生者(ちくしょおむん):cruel person
:不人情な人。残酷な人。
蹄(ちまぐ):hoof
:ひづめ(蹄)。本土でも居酒屋などで豚足を食べるが「ちまぐ」は食べないようだ。
爪(ちみ):nail
:爪。
爪糞(ちみくす):nail dirt
:爪の垢。
肝(ちむ):liver,heart
:肝。肝臓。心。共通語の「心」に相当する琉球語は「肝(ちむ)」である。
肝浅(ちむあさ)さん:unfaithful
:浮気である。貞操観念がない。
肝故(ちむええ):meaning,reason
:意味。わけ。理由。「肝訳(ちむええ)ぬ分(わ)からん。」は「意味が分からない。」の意。
肝愛(ちむがな)さん:dear
:心からかわいい。
肝苦(ちむぐり)さん:poor
:不憫である。気の毒である。かわいそうである。
肝小(ちむぐう)さん:shy
:小心である。気が小さい。内気である。
肝忙(ちむいちゅな)さん:busy
:せわしい。心が忙しい。気ぜわしい。
肝入(ちむい)り:favor
:好意。親切。心をこめること。
肝弱(ちむよお)さん:timid
:気が弱い。
肝心(ちむくくる):heart
:心。心を強めていう語。
肝迷(ちむまゆ)い:hesitation
:心の迷い。
肝長(ちむなが)さん:leisurely
:気が長い。
肝(ちむ)ぬ伸(ぬ)び:leisure
:心のゆとり。寛大で、むやみに立腹しないこと。寛容。
肝騒(ちむさわ)ぢ:anxiety
:胸騒ぎ。不安・心配などで心が穏やかでないこと。
肝内(ちむうち):real feelings
:内心。
肝清(ちむぢゅ)らさん:kind
:心がやさしい。恵み深い。
肝強(ちむぢゅう)さん:strong minded
:心強い。安心できる。
綱引(ちなふぃ)ち:tug of war
:綱引き。
家内(ちねえ):family
:家庭。家族。
家内人数(ちねえにんじゅ):family member
:家族。家族全体。
茸(ちぬく):mushroom
:きのこ。傘と柄のはっきりしている、きのこ形のもの。
衣(ちん):clothes
:着物。衣服。
巻餅(ちんびん):Okinawan confectionery
:菓子の名。小麦粉を水でこねて黒砂糖と卵を混ぜ、油をひいた鍋で焼いて巻いたもの。
小巻貝(ちんぼおらあ):spiral shell
:海産の小さい巻き貝の名。
頭返(ちんぶるげえ)い:somersault
:でんぐり返し。頭を下にしてひっくりかえること。
爪付(ちんち)きゆん:to pinch
:つねる。指先などで強くねじる。
京瓜(ちんくぁあ):pumpkin
:かぼちゃ。南瓜(なんくぁあ)、ともいう。
蝸牛(ちんなん):snail
:カタツムリ。
鶴(ちん)ぬ子(く):taro
:芋の一種。やつがしら。
唾(ちんぺえ):saliva
:唾。つばき。
金楚糕(ちんすこお):Okinawan confectionery
:菓子の名。沖縄のおみやげとしてポピュラーになった。
面(ちら):face
:顔。
面淡(ちらあふぁ)さん:shy
:おもはゆい。恥ずかしくて見ていられない。
面小(ちらぐぁあ)成(な)ゆん:ashamed
:恥ずかしくて顔を向けられない。
面恥(ちらは)じかさん:shy
:おもはゆい。顔を見られるのが恥ずかしい。
面一(ちらてぃい)ち:as like as two peas
:生き写し。瓜二つ。顔がそっくりなこと。
連(ち)り:company
:連れ。同伴者。仲間。
切(ち)り薤(びらあ):Chinese chive
:にら。
切麦(ちりむぢ):noodle
:うどん。切麦(きりむぎ)は共通語である。
連(ち)りなさん:cold
:つれない。情ない。
塵取(ちりとぅ)い:dustpan
:塵取り。
鶴(ちる):crane
:鶴。
弦(ちる):string
:弦。
弦垂(ちるだ)い:disappointment
:失望。落胆。がっかり。
着(ち)る皮(かあ):clothes
:着物のこと。衣(ちん)と合わせて、衣着(ちんち)る皮(かあ)。
萵苣菜(ちしゃな):lettuce
:ちしゃ。野菜の名。緑の多い巻かないレタスのような感じ。萵苣(ちしゃ)は共通語であり、万葉集にも登場する。
苞(ちとぅ):souvenir
:みやげ。みやげもの。万葉集・4396「堀江より朝潮満ちに寄る木糞(こづみ)貝にありせば苞(つと)にせましを」。
悪(ちじ):worse
:悪いこと。劣ること。「悪(ちじ)成而居(なとお)ん。」は「悪くなっている。」の意。
鼓(ちぢん):hand drum
:鼓。
千鳥(ちじゅい):plover
:千鳥。千鳥(ちじゅや)あ、ともいう。
京太郎(ちょんだらあ):clown
:かいらい師。人形使い。万歳行者。
夾竹桃(ちょおちくとお):oleander
:夾竹桃。
兄弟(ちょおでえ):brother
:兄弟。
狂言(ちょおぢん):farce,play
:狂言。芝居。演劇。
長命(ちょおみい):longevity
:長命。長生き。
帳面(ちょおみん):notebook
:ノート。帳面。
長春花(ちょおしゅん):Chinese rose
:長春花。バラ。沖縄の庭でよく見かける。
京都(ちょおとぅ):Kyoto
:京都。
丁子(しょおじ):clove
:丁子。植物名。香料。「丁」の形をしている。
一撃(ちゅばち):blow
:一撃。一回の打撃。
一晴(ちゅは)り:some sunshine
:ちょっとの晴れ間。
一腹(ちゅふぁあら):fullness
:腹一杯。満腹。転じて、「飽き飽き」とか「こりごり」の意。
一人暮(ちゅいぐ)らし:to live alone
:ひとり暮らし。独身生活。胴一人暮(どぅうちゅいぐ)らし、ともいう。
一人毎(ちゅいなあ):one by one
:ひとりずつ。ひとりひとり。
一人(ちゅい)ん子(ぐぁ):only child
:ひとり子。
一人(ちゅい)足(た)れえ足(だ)れえ:to help each other
:互いに補い助け合うさま。
一人(ちゅい)負(うう)し負(うう)し:to transfer to each other
:互いに押し付け合うさま。互いに責任を負わせようとするさま。
一欠(ちゅか)き:fragment
:一かけら。食べ物などの一切れ。
一担(ちゅかた)み:a piece of burden
:ひとかつぎの荷。
一回(ちゅけえん):one time
:一回。
一口(ちゅくち):a bite
:一口。
作(ちゅく)い話(ばなし):made-up story
:作り話。
作(ちゅく)い病(やんめえ):fake illness
:仮病。
作(ちゅく)い破(やん)じ:failure
:作りそこない。できそこない。
作(ちゅく)い笑(われ)え:forced smile
:作り笑い。
一声(ちゅくぃい):a roar
:一声。
一目(ちゅみ):a glance
:一目。ちょっと見ること。
一巡(ちゅみぐ)い:a tour
:一めぐり。
清(ちゅ)らあ:beauty
:美しいもの。美人。
清(ちゅ)ら影(かあぎ)い:beauty
:美人。美女。
清(ちゅ)らさん:beautiful
:美しい。きれいである。清潔である。[うしろの意味から前へとだんだんと変化した語と思われる。]
今日(ちゅう):today
:今日。
強者(ちゅうばあ):strong person
:強い者。力の強い者。体の丈夫な者。
強(ちゅう)い早(べえ)さん:well grown
:発育が早い。体の回復が早い。
急須(ちゅうかあ):teapot
:急須。
強(ちゅう)さん:strong
:強い。
強強(ちゅうぢゅう)く:strongly
:たいそう強く。きつく。